6.土壌診断事業の推進
(1)目的
 本県では、土壌作物栄養診断事業をはじめ、現在の地力増進法に基づく地力対策に至るまで各種の生産力向上対策を実施し、農業生産の基礎である土壌の改善を図ってきた。
 しかし、近年、農産物の市場開放が進む中で国内では農業就業者の減少、規模拡大、専作化の進行、また、食品の安全性を求める消費者のニーズや環境意識の高まりなど、農業を取り巻く情勢は大きく変化してきている。このような中で、一部の地域においては、土壌管理の粗放化による地力の低下・連作障害の発生に加えて、過剰施用による環境負荷への影響が懸念されている。
 このため、土壌診断活動を通じ土壌の実態を科学的に把握し、生産阻害要因の何であるかを的確に捉え、有機物の不足、養分の欠乏及び過剰、養分バランスを改良するなど地力増進対策をに努めるほか、環境に配慮した合理的な施肥を推進することで、本県農業の振興を図ることを目的とする。
(2)推進体制
1)土壌・作物栄養診断の推進
   土壌診断事業は、農業技術センターに土壌・作物分析診断室と農業総合事務所経営普及部・地区農業改良普及センター(以下、「経営普及部」)に測定診断室が設置されている。また、農業団体としては農業協同組合に簡易診断室が設置され、さらに、急増している土壌・作物栄養診断の要請に応えるべく、昭和61年から群馬県地力増進対策協議会として土壌診断センター(現:施肥防除支援センター)が設置され、県内の耕地土壌の地力増強に県と農業団体が一体となって努めている(図-1 土壌診断事業の体系図)。
 なお、これらの施設の機能分担は以下のとおりである。
2)各診断室の機能分担
1.行政機関の対応
 土壌診断事業の基本方針や各種の事業計画を県農政部蚕糸園芸課が企画・立案するとともに診断業務の円滑な推進を図るために関係機関(試験研究機関、経営普及部)、市町村、農協等の指導と農家に対する啓蒙活動を行う。
2.土壌・作物別診断室(農業技術センター)
 土壌管理方針等の技術的指導方針を農業改良普及員に周知徹底させるために、行政機関や関係試験研究機関と協力して農業改良普及員の研修、土壌診断技術者の養成等を行う。また、測定診断室において技術的に対応が困難な診断業務については、その要請に応じ調査研究、土壌診断を行い、その解決にあたる。
3.測定診断室の対応(農業総合事務所農政総務部・農業改良普及センター)
 農業改良普及センターは、行政機関や研究機関の指導のもとに計画的診断調査を行い、土壌管理方針等の対策指針を農協営農指導員等に周知徹底させ、簡易診断室と一体になって管内農家の指導を行う。なお、業務の円滑な推進を図るため、地域における土壌診断の基本方針の策定、関係機関等との計画調整、土壌診断基準の統一的活用等について協議するとともに、診断結果の検討会、手合わせ分析等により診断技術の向上にあたる。
4.施肥防除支援センターの対応(群馬県地力増進対策協議会・全国農業協同組合連合会群馬県本部)
 分析診断の実施に当たっては、土壌診断実施要領に基づき実施するが、県蚕糸園芸課、農業技術センター等試験研究関係機関及び経営普及部並びに農業関係団体等と一体的な連携のもとに業務を行う。
 なお、診断主任者は分析結果の取りまとめにあたり、必要に応じて専門技術員及び試験研究機関と協議のうえ処方箋を作成し、診断依頼者に診断書を通知する。
5.簡易診断室の対応(農業協同組合)
 測定診断室が策定する土壌管理方針に基づき、広く土壌診断を行い、測定診断室の指導の基に土壌管理、施肥法等の農家指導を行う。
【参考】 施肥防除支援センターにおける分析の種類及び項目