こまつな(家庭菜園サポート)
栽培ポイント
- 温度や土壌に対する適応範囲が広く、栽培が比較的容易です。
- コナガ(※1)に対しての適用農薬がないので、寒冷紗等の被覆を徹底しましょう。
- 栽培期間が短く、周年作付けが可能です。収穫適期幅が狭いので注意しましょう。
(※1)アブラナ科作物に被害が多く、幼虫の多くは葉裏に寄生し、表皮を残して食害する。年10~12回発生。有効薬剤が少なく駆除が難しい。
品種・播種
- 品種
季節に応じて、晩抽性(※2)・耐暑性・耐寒性等の特性に合わせた選定をしましょう。 - 栽植密度
条間は10~3月が15cm、4~9月が18cmとし、株間は6~8月が4~5cm、その他の時期は2~3cmを基準とします。
(※2)抽苔の遅い性質のことで、品種によって差がある。ダイコンなどの葉根菜類の栽培で春まき栽培で特に問題となり、晩抽性の品種が求められる。
ほ場準備
- 施肥
窒素、燐酸、加里は、いずれも10a当たり15kgを標準とするが、夏は8kg程度に減少させます。全量基肥が標準で、冬の生育期間の長い場合は追肥をします。作付け前のEC(※3)が0.5以上の場合は減肥しましょう。基肥は、は種の10日前に全面に施用し、良く耕しておきます。 - 整地
ハウス栽培では、整地前に十分にかん水しておきます。
は種前に土の表面を平らに整地し、鎮圧を行っておきます。整地の均平度が生育揃いを左右するので丁寧に行いましょう。
(※3)電気伝導率のことをいう。土壌中のEC(Electric Conductivity(エレクトリック コンダクティビィティ))を測定すれば、塩類濃度がわかり、作物がどの程度の生育障害を起こすかを判定することができる。
は種後の管理
- 発芽と温度
発芽適温は15~35℃と幅広く、低温限界は5℃、高温限界は40℃です。
発芽までの日数は25~35℃で24時間、15℃で3日、10℃では発芽ぞろいまでに7日以上を要します。 - 生育と温度
生育適温は20~25℃、30℃を越えなければ生育は順調です。冬期はトンネル被覆やハウス栽培が望ましく、高温期のハウスでは十分な換気が必要です。生育期間は高温期20日、低温期80日、施設では年間6~7作、露地では年間4作程度作付けが可能です。厳寒期(12~2月)まきの作型では、低温により花芽分化が起こり、その後に高温長日で抽台が促進されるので注意しましょう。 - 温度管理
厳寒期はハウス栽培またはトンネル栽培とし、夜間の保温に努めるが、日中は25℃を目標に換気し、徒長を避けます。春~夏のハウス栽培では、温度の上がりすぎに十分注意し、葉焼けを起こさないように注意しましょう。 - 水管理
発芽から生育初期には十分な水分が必要であるが、生育中後期では土壌表面がかなり乾燥するまでかん水を行わないようにします。
主な病害虫と防除対策
- 白さび病
5~7月と10~12月の、比較的気温が低く雨が多い時に発生しやすくなります。感染初期は葉の表面に症状が表れず、被害を見落としがちとなるので注意します。発病前からの薬剤散布が効果的で、多発してからでは防除が難しいので注意しましょう。 - 立枯病
高温期の多湿条件で発生しやすいく、深耕や高畦での排水対策が必要です。 - 萎黄病
フザリウム菌による病害で、高温期に発生が多くなります。子苗が立ち枯れとなる場合と生育が進んでから株全体が下葉から黄化し、枯死する場合があります。 - 炭そ病
6~10月に雨が続くと多発します。葉の表面に輪紋状の斑点をができ、やがて破れて穴があきます。発病株は取り除きましょう。 - コナガ・アブラムシ
周年的に発生し、薬剤耐性も強く薬剤での防除は困難です。は種直後から寒冷紗防虫ネット等の被覆による侵入回避が最も効果的です。
収穫
草丈20~25cmで収穫します。高温期は収穫後鮮度が落ちやすいので、早朝収穫が好ましく、日中は萎れるので避けましょう。
また、葉が濡れているうちの収穫は、傷みが出やすいので、露が切れてから行います。高温期では収穫適期幅が2~3日なので、収穫遅れとならぬよう注意しましょう。