とうもろこし(家庭菜園サポート)

とうもろこし(家庭菜園サポート)

家庭菜園サポート:とうもろこし

栽培ポイント

  1. 播種期間は長いが、収穫適期が短いので注意しましょう。
  2. 春早い作型は、低温による発芽障害や生育障害を起こす事があるので、早めにマルチを張り地温を確保します。また、春先は、土壌が乾燥していることが多いので土壌水分の確保と、は種時の鎮圧が大切です。

品種・播種

  • は種期
    3月上旬~4月上旬
  • は種
    1穴2粒まきで、は種深さは、2~2.5cmとします。
  • 種子消毒
    トリコデリマ菌・リゾクトニア菌・ピシュウム菌等による種子腐敗や立枯病・根腐れによる黄化現象(生育抑制)等の予防対策として種子消毒を行います。

ほ場準備

  • 土づくり
    は種15~20日前に土壌改良資材と堆肥を施用し、土と良く混ぜておきます。
  • マルチ張り
    マルチは、地温上昇や雑草対策に必要です。早い作型では透明ポリマルチ、それ以外は黒ポリマルチが適当です。ベッド(※1)は、95cm幅、2条、株間30~35cm、通路50~60cm程度の栽植密度が適当である。
  • 施肥
    とうもろこしは、吸肥力が強いので堆肥(※2)を十分施用するようにしましょう。また、火山灰土壌ではリン酸分を多めに施用すると良いでしょう。

(※1)温室栽培で、ベンチを設けないで、直接植え込む畝をベッドまたは地床(じどこ)という。

(※2)ワラ、落ち葉などを微生物の働きで腐らせたもので、植物の生育に有効な多くの微量要素を含んでいる。単なる肥料成分だけでなく、土壌の物理性を良くし、土壌微生物の働きを高める働きがある。

は種後の管理

  • 除草剤の散布
    は種後、とうもろこし発芽前までに適用除草剤を散布します。
  • 鳥害予防
    播種後から発芽初期まで、種子を食べられやすいので、釣り糸を張る等の対策を行いましょう。
  • 間引き
    本葉3~5枚時に行い、1本立てとします。間引きの時に、残す株の根を傷めないように注意し、間引き後株元に土寄せを行います。
  • 除けつ
    地際部や地中節から分げつ(※3)がみられるが、これを除けつしない方(無除けつ栽培)が、分げつ葉からの養分転流や分げつ枝の雄穂により受粉障害等が軽減するため、増収や品質向上となります。しかし、株が過繁茂した時や遅い作型では、除けつを行った方が良いでしょう。
  • 除房
    一般的には、1株1房穫りで栽培することが多く、この場合最上部の房を残し、2番目の房を除房します。除房の時期は、絹糸が出始めた頃にかき取り、茎葉を傷めないように注意しましょう。

(※3)茎の根元から新しい茎が生まれ、その茎からまた次々と茎が増えることを分げつという。

主な病害虫と防除対策

  • すじ萎縮病
    透明ポリマルチ栽培を行います。
  • 倒伏細菌病
    梅雨期に発生が多くなります。
  • タネバエ
    堆厩肥等が多いほ場や5月下旬~6月上旬は種は、発生しやすいです。
  • アワノメイガ・アブラムシ類
    発生の多い害虫類で、適用薬剤で雄穂の抽出初期から防除に努めましょう。
  • 鳥獣害
    とうもろこしは、糖分が多いためハト等の鳥類とタヌキ・キツネ・熊等の獣類の被害を受けやすくなります。ネットや柵を設置し、事前に対策を行っておくことが大切です。

収穫

  • 雌穂の絹糸抽出後25~30日前後が収穫の適期です。
  • 外観的には、絹糸が褐色に枯れ、皮の外から指で押して粒がつぶれる頃が良く、必ず実入りを確認してから収穫するようにしましょう。
  • 収穫後は、急速に糖含量が下がり食味が低下しますので、朝の気温が低いうちに収穫し、なるべく涼しい場所で保管しましょう。