にんじん(家庭菜園サポート)
栽培ポイント
- ニンジンの発芽率は最適条件でも60~70%で、過乾過湿条件でさらに低下します。播種から発芽まで適温適湿条件を保って発芽率を向上させることが重要です。
品種・播種
- 品種
ひとみ五寸、あかほり - は種期
7月下旬~8月上旬 - は種方法
土に湿り気があるときに播種します。乾燥を防ぐため、は種直前まで畑をビニールでマルチしておく方法もあります。 コート種子を利用する場合は、土壌水分が少ないと発芽率が低下するのでやや多めにかん水を行います。
土壌が乾燥すると発芽が悪くなるので、覆土の厚さや鎮圧の程度を変えましょう。播種前後に鎮圧して土壌水分を保持し、覆土は土の湿り気によって調節し乾燥気味の時はやや厚め(5~15mm)に覆土して、早朝や夕方のほ場の湿り具合のよい時刻に播種します。 - 栽植間隔
条間20cm : 株間8~10cm : 畦幅70cm
は種準備
- 土づくり
堆肥は前作に施用するが、やむをえない場合は前作が終了次第、完熟堆肥2kg/10平方メートルを入れ深耕します。基肥は、播種10日前に全面に施用し、耕耘、砕土します。特に粘質土壌では砕土が充分でないと良品生産は望めません。 - 施肥
土壌の適応性は広いが肥沃な砂質土壌が最も適します。最適PHは6.0~6.5です。
10平方メートルあたり 堆肥20kg、苦土石灰1kg、苦土重焼燐0.4kg他 - うね立て
ていねいに砕土、整地したら高さ8cm程度のうねを立てます。うねの高さは、播種期に集中豪雨が予想される場合、排水条件の良好でない水田、傾斜地ではやや高めの10~15cmとします。 - かん水
土壌が乾燥しているときは、播種前にかん水を行います。播種後さらに乾燥がつづく場合は、5~7日間程継続してかん水を行うようにしましょう。
は種後の管理
- 雑草防除
播種後、ただちに土壌処理型除草剤を散布します。
生育中に使用できる選択性除草剤でも、発芽直後から本葉2枚展開するまでは薬害が出やすいので使用しないようにします。 - 間引き
欠株を少なくするためには、二回の間引きで株定めした方がよいでしょう。
一回目は本葉2~3枚(播種後30日頃)頃に株当たり2本立てとし、二回目は本葉5~6枚(播種後45~50日頃)に行います。
間引きを一回で済ますときは、二回で株定めする場合の二回目よりやや早く(3~5枚)で行いましょう。
間引く苗は、葉色の濃すぎるもの、生育のよすぎるもの、生育の劣っているものを対象とします。 - ベットつくり
ベットの高さは圃場条件を考慮し、高畦として排水をよくします。完成後は、マルチングして7~10日程度経過させ地温を高めます。 - 土寄せ
越冬して1~2月収穫する場合は、12月に入って寒波がくる前に土寄せを完了しておきます。 土寄せの量が少ないと、根の肥大にともない根首部が露出し、根首部が緑色や赤褐色に変色して品質が低下します。また、土寄せが多すぎると病気を誘発することがあるので葉の付け根が少し隠れる程度としましょう。 - 追肥
生育や葉色などを見ながら条間や畦間に追肥を行います。
追肥時期の目安としては、一回目は株定め後、二回目は本葉10枚頃(9月下旬~10月上旬)行います。 - ・土壌水分管理
播種から本葉5枚頃までは発芽を斉一にすること、初期生育を促すことなどから、ほどよい土壌水分状態を保持する必要があり、この時期に乾燥する場合はかん水を行います。
本葉10枚以降は土壌水分がやや少なめで、土壌孔隙量が適度にあるほうが根の着色がよく、表皮も滑らかになります。
主な病害虫と防除対策
- 黒葉枯病
高温・乾燥条件がつづくと発病が多くなります。干ばつ年に発生が多いので敷き藁やかん水をして乾燥を防ぎましょう。 - うどんこ病
排水がよく乾燥しやすい畑、早まきや多肥栽培によって茎葉が繁茂している場合に発生しやすくなります。 - ヨトウムシ、キアゲハ
害虫発生の早期発見に努め、若齢期を重点に適用薬剤で防除を行います。
収穫
播種後120~130日で収穫できます。過熟は裂根が多くなるので適期収穫に心掛けましょう。