【!注意喚起】野菜や山菜に似た有毒植物による食中毒に気をつけてください

野菜や山菜に似た有毒植物による食中毒に気をつけてください

近年の事例

 毎年、特に春先から初夏にかけて、有毒植物を食用の植物と間違って食べてしまったことによる食中毒が多く発生しています。
 また、近年、農産物直売所等で野菜、山菜と間違えて有毒植物が販売され、これらの有害植物を食べた消費者に食中毒が発生する事例も報告されています。

事案1

  • 発生年月日:令和2年12月27日
  • 発生場所:宮崎県日南市
  • 原因植物:クワズイモ(根茎)
  • 概要:生産者がクワズイモの根茎を長芋と誤って農産物直売所に出荷し、それを購入して喫食した1名に食中毒が発生
  • 原因:生産者がクワズイモの根茎を長芋と誤解して採取し、農産物直売所に出荷したもの

事案2

  • 発生年月日:令和2年9月26日~30日
  • 発生場所:宮崎県宮崎市及び西都市
  • 原因植物:クワズイモ(葉柄)
  • 概要:生産者が農産物直売所に出荷した食用の芋茎(いもがら)にクワズイモの葉柄が混入し、それを購入した8名に食中毒が発生
  • 原因:生産者のサトイモ畑にクワズイモが意図せず混入していたもの

事案3

  • 発生年月日:令和元年11月19日
  • 発生場所:千葉県市川市
  • 原因植物:スイセン属植物
  • 概要:野菜販売事業者が、スイセン属植物をニラと誤認にして販売し、それを購入して喫食した3名に食中毒が発生
  • 原因:野菜販売事業者が、近隣の雑木林からスイセン属植物をニラと誤って採取し、販売したもの

事案4

  • 発生年月日:平成28年5月1日
  • 発生場所:岐阜県飛騨氏
  • 原因植物:コルチカム(イヌサフラン)
  • 概要:農家がイヌサフランの葉(有毒)をギョウジャニンニクと誤認して農産物直売所に出荷し、それを購入して喫食した1名に食中毒が発生
  • 原因:農家がイヌサフランを畑の際に植えたことを失念し、ギョウジャニンニクが自生したものと誤認して採取し、出荷してしまったもの

 

  • 各事例の原因は、県からの聴き取り、食品衛生学雑誌食中毒事件例及び報道情報による。
  • 食中毒は発生しなかったが、令和2年2月に埼玉県の農業物産館でスイセンをニラと誤って販売した恐れがあるとして、回収が行われた事案あり。
  • これら以外にも、農産物直売所で販売された野菜や山菜、きのこ類に有毒植物や毒きのこが混入し、食中毒が発生した事案や回収が行われた事案が複数報告されている。

令和3年における有毒植物による食中毒事例 1

  • 発生年月日:令和3年3月4日
  • 発生場所:高知県 家庭
  • 原因植物:グロリオサ
  • 概要:グロリオサと推察される球根を採取・喫食し、食中毒症状を呈した
  • 患者:1名(70代男性)
  • 主な症状:嘔吐、下痢

令和3年における有毒植物による食中毒事例 2

  • 発生年月日:令和3年4月13日
  • 発生場所:福島県 家庭
  • 原因植物:ウルシ(推定)
  • 概要:患者宅の敷地内から採取した山野草をコシアブラと誤って喫食し、食中毒症状を呈した
  • 患者:2名(70代女性)
  • 主な症状:腹痛、嘔吐

令和3年における有毒植物による食中毒事例 3

  • 発生年月日:令和3年4月18日
  • 発生場所:群馬県 家庭
  • 原因植物:バイケイソウ
  • 概要:山林で採取した山菜をオオバギボウシと誤って喫食し、食中毒症状を呈した
  • 患者:1名(60代男性)
  • 主な症状:腹痛、吐き気、嘔吐

令和3年における有毒植物による食中毒事例 4

  • 発生年月日:令和3年4月26日
  • 発生場所:山形県 家庭
  • 原因植物:スイセン
  • 概要:ニラとして譲り受けた植物(スイセンの葉)を調理・喫食し、食中毒症状を呈した
  • 患者:2名(70代男性、60代女性)
  • 主な症状:嘔吐、頭痛、悪寒

令和3年における有毒植物による食中毒事例 5

  • 発生年月日:令和3年4月18日
  • 発生場所:北海道 家庭
  • 原因植物:イヌサフラン
  • 概要:自宅近くに生えているイヌサフランをギョウジャニンニクと誤って喫食し、食中毒症状を呈した後、死亡した
  • 患者:1名(80代男性)
  • 主な症状:嘔吐、下痢、脱水、急性腎不全、白血球減少

農産物直売所の管理者等、生産者の方へ

 農産物直売所の管理者や農産物直売所に野菜や山菜等を出荷している生産者の方は、下記事項についてご留意いただきますよう、よろしくお願いします。

1.農産物直売所の管理者の方

  • 農産物を販売する前には、直売所に持ち込まれた野菜や山菜等に、食用不可な植物(観賞植物や雑草)の混入や有毒植物との取り違えがないことを現品で確認すること。(特に確認が必要な野菜や山菜の例:ニラ、ギョウジャニンニク)
  • 食用と確実に判断できない植物については、野菜や山菜等として販売しないこと。
  • 都道府県の衛生部局や山菜アドバイザー等の専門家の助力を得つつ、有毒植物に関する知見の収集を行い、農産物直売所の従業員や出荷者に対し、食用の野菜・山菜等と間違えやすい有毒植物やその混入防止策に関する講習や情報提供を行うこと。

2.農産物直売所に野菜、山菜等を出荷する生産者の方

  • 食用と確実に判断できない植物については、採ったり、農産物直売所に出荷したりしないこと。
  • 野菜や山菜等を出荷する前には、食用でない植物が混入していないか確認すること。
  • 野菜や山菜を栽培する場合は、食用種であることが確実な種苗を用いること。
  • 農地やその近辺には、食用植物と間違えやすい有毒植物を植えないこと。

 

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