ぐんまの地鶏「上州地鶏」
ぐんまの地鶏「上州地鶏」※2022年8月改訂版(PDF版リポート資料:3.3MB)
軍鶏(しゃも)の血統を引く 純国産 地鶏
◆生産の効率性を重視し、改良を重ねて家畜化されたブロイラーとは異なり、日本の固有種の血を引き継ぎながら、生育に時間のかかる地鶏。
◆生産性が追求される風潮の中、生産者は減り、今では肉用鶏のわずか0.5%という稀少な存在になりました。
◆地鶏は、存在の希少性や品質面からみても「肉用鶏の王様」と呼べる存在です。
こだわりぬいた飼料
上州地鶏の特徴の一つは、飼料。群馬県では長い期間研究を重ね、「梅酢」と「桑の葉」に注目しました。
「梅酢」とは、梅干しを加工する際に作られるエキスのこと。この「梅酢」には抗酸化作用があることが知られており、これを与えることによって、肉の赤みが増し、みずみずしいお肉になることが分かりました。
また、「桑の葉」には余分な糖質を防ぐ効果や腸内の善玉菌を増やす効果があります。そのため「桑の葉」を食べる上州地鶏は、健康に育ち、旨味のあるお肉になります。
「梅酢」と「桑の葉」はどちらも群馬県ならでは。まさに「群馬の地鶏」と言えるのです。
・梅
群馬県では古くから梅の生産が盛ん。その生産量は、和歌山県に次いで全国第2位。中でも多く作られているのが「白加賀梅」。果肉は緻密で肉厚ながら繊維が少なく、梅酒や梅干しに適しています。
また、春には梅の花が一面に咲き誇り、風光明媚な景色が楽しめます。
・桑
世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」が存在する群馬県。蚕糸業は我が国の近代化を支え、群馬は全国一の繭生糸生産を誇る蚕糸県。現在も県内各地で蚕のエサとして桑が栽培されており、群馬県と桑は切っても切れない関係なのです。
独特の食感と深い味わい
地鶏肉のおいしさは一般的に、締まった肉質による「適度な歯ごたえ」や「旨味」という言葉で表現されます。
上州地鶏の味は多数の飲食店からも高い評価をいただいています。「ブロイラーにはない鶏の旨味が凝縮されていて、とても味が濃いです。」そう語るのは、県内の飲食店店主。
今回の分析により、そのおいしさを裏付ける結果が得られました。
【モモ肉】脂のり良好、タンパク質豊富
赤身には適度な脂肪(筋間脂肪※)が入り、タンパク質も豊富
【モモ肉】ジューシー!
※歯ごたえ、ジューシーさ共にブロイラーの測定値を1として指標化したもの
ブロイラーとは一線を画す、地鶏らしい歯ごたえ!
【モモ肉】タウリン豊富!
・タウリンは栄養ドリンクの有効成分にもなっているアミノ酸の一種。
・コレステロールを減らす、心臓や肝臓の機能を高めるなどの効果があるとされています。
※出典:e-ヘルスネット(厚生労働省)
【モモ肉】オレイン酸含有率
・上州地鶏モモ肉の脂肪酸組成は、オレイン酸割合が高く、上品な香りと甘味を呈します。
・HDL-コレステロール(善玉コレステロール)含量を低下させずに、LDL-コレステロール(悪玉コレステロール)含量を低下させる効果があるとされています。
・酸化安定性が高く、体内で過酸化脂質を作りにくい脂肪酸です。
※出典:Mattson & Grundy,1985、e-ヘルスネット(厚生労働省)、日本動脈硬化学会HP、Health & Meat’09、ニプロ株式会社HP
【ムネ肉】アンセリンがブロイラーの1.8倍!
・アンセリンは、活性酸素を撃退し、疲労感の軽減、脳老化予防に役立つ機能性関与成分として注目されている「イミダゾールジペプチド」の一種。
・2003年に立ち上げられた産学官連携「疲労定量化及び抗疲労食薬開発プロジェクト」において、コエンザイムQ10、オルニチン等23成分と比較した結果でも、最も顕著な抗疲労効果を示すという結果が出ています。
・イミダゾールジペプチドは、ヒト臨床試験により、200mg/日以上3週間以上の連続摂取により「疲労感の軽減効果」が確認されています。
・東京大学等の研究グループによって、一日1,000mgの摂取により脳老化予防作用があることが確認されています。
・食味にもプラスに働き、肉の味をまろやかにし、コクを与えます。特に出汁のコクに関与します。
【ムネ肉】適度な歯ごたえ
地鶏らしい歯ごたえで、加熱損失が少なくジューシー
【ムネ肉】高タンパクで低脂質!
上州地鶏ムネ肉100gで、タンパク質の一日摂取推奨量の女性は49%、男性は41%を満たします(日本人の食事摂取基準2015年版)。
・鶏のムネ肉は脂質が少なく、ヘルシーさが売りですが、パサパサした食べにくさは敬遠されがち。
・上州地鶏のムネ肉中には適度な脂質が含まれ、加熱損失も少ないので、ヘルシーさを保ちつつも、食べやすいといえます。
・調理方法の工夫で、驚く位しっとり、ジューシーな食感に。詳しくはレシピページをご参照ください!