2)ブロードキャスタ
 ブロードキャスタは、主に粒状の土壌改良資材、化成肥料の施用に使用する機械であるが、牧草や麦類など中粒種子の全面散布(全面播種)機としても使用されている。作業能率が高く利用範囲も広いので、機械化利用組合などに導入されている。
(1) 構造
 ブロードキャスタは、遠心式で、たて軸を中心に回転する羽根の上に資材を落下させ、羽根車の遠心力で散布する。構造は、資材ホッパー、ホッパー底部にある排出孔、羽根車、散布筒、駆動装置からなっている。ホッパーの形状は、資材が下方に流動しやすいように円錐形または角錐形になっている。ホッパーの内部には、資材の繰り出しを円滑にするためのアジテーターを備えている。ホッパーの底部には、4〜10個の排出孔があり、散布量の調節は、開閉調整板によって排出孔の断面積を変えるようになっている。揺動式の散布筒は、カム機構を利用して左右90度の範囲に揺動させる構造になっている。
ブロードキャスタ
(2) 繰出量と作業速度
 トラクタのPTO動力を利用するライムソワーと同様に、開度別繰出量と作業速度を確認する。(ライムソワーの項を参照)
(3) 有効散布幅の決定と作業方法
ブロードキャスタにより横方向に散布された資材は、回転軸を中心に山型に分布する。有効散布幅は、化成肥料で5〜8m程度、石灰や種子等の比重の軽いものは3〜4mである。作業にあたっては、上記の通り横方向に山型で散布量されるため、図−3のように重複させて作業を行い、散布量をできるだけ均一になるように配慮する。その時の重複幅は、10〜50%以内にするのが一般的である。
(4) その他注意事項
 ブロードキャスタは、ライムソワーと比較して、肥料が高い位置から散布されるので、湿気を吸収することが少なく、湿度の高い条件下でも機能を十分に発揮できる。しかし、粉状肥料は風の影響を受けるので、風の強い日には飛散防止用のエプロンなどを装着する必要がある。
(5) 粉・粒状肥料機械施肥の共通的な留意事項
粉状および粒状肥料の代表的な施肥機を紹介したが、作業上の共通的な留意事項について述べると次の通りである。
 肥料が凝固している場合は、打ち砕いてから機械のホッパーに投入する。その時に肥料袋の端切れや夾雑物等を入れないようにする。
 ホッパー中の肥料が少量になってから作業を行なうと、繰り出し量にバラツキを生じるので、繰り出し量の一段階少ない開度で作業を行ない、残量は補正施用で均一化に努める。できれば、計画施用量に対して、10〜20%増の肥料を搭載 するのが望ましい。
 露のある牧草地で作業をする場合は、牧草が機械の排出口に触れないように注意する。
 肥料の補給は、ホッパーを空にしないで、10〜20%を残して補給すると良い。また投入量も、肥料を押しつけて無理に投入しない。
 作業が終了した後は、機械が腐食しないように洗浄して格納する。