1)コンニャク
1. 養分吸収
  コンニャクの生育中における養分吸収の経過をみると、開葉期以降球茎の肥大が盛んに行われる7月から9月にかけて多く吸収され、この時期の吸収量は、窒素で全吸収量の約60%、リン酸で40%、カリでは約90%となっている。これら三要素の吸収量を比較してみると、カリが最も多く、成熟期にはその76%が球茎と生子に移行する。ついで窒素がカリの約2分の1、リン酸は最も少なくカリの7分の1程度である。
  三要素以外の石灰、苦土についてみると、石灰は球茎、葉とも生育初期から同じように吸収されるが、葉では生育終わり頃に急増する。苦土は生育初期から8月中旬までに多く吸収されている。また、微量要素については、亜鉛が生育期間を通じて平均的に吸収され、マンガンは生育初期の7月頃に多く、8月以降はあまり多くない。
2. 適正施肥量
 施肥の過不足は、減収や病害の発生を招くことが明らかであり、土壌の悪化にもつながるが、現状では施肥不足の畑よりむしろ過剰傾向の方が多い。施肥量が多すぎると濃度障害(肥やけ)が起り易いが、これは土壌くん蒸剤の連用や有機物の施用が少ない等の理由により、土壌中の腐植が消耗し、緩衝能が低下することによって助長される。また一部地域では堆きゅう肥などの多施用により、リン酸過剰となり鉄欠乏が発生し始めている。
  生育期間中に低温・干ばつ・降雹などの気象災害が発生することがあるが、このような異常気象条件下では、特に地域の諸条件に合った適正施肥量で安定栽培をめざすことが大切である。
3. 施肥法
  コンニャクの養分吸収経過を踏まえて施肥の方法を考えるわけであるが、施肥時期や施肥量は地域や栽培目的によって異なる。生育期間の短い地域では早期重点の施肥が行われなければならず、生育期間の長い地域や砂壌土等の肥料養分の流亡が大きい畑では、吸肥特性にあった肥効調節型の肥料を選択する必要がある。また、種いも畑では窒素の施用量が多くなると、収穫した種いもが貯蔵中に腐敗しやすくなったり、施肥時期が遅れると、特に生子は充実が悪くなり貯蔵性が低下することから適期施肥に努める。
  一般に、早期施肥はコンニャクの生育特性や球茎・生子の充実などから重要であるが、多量の肥料を早期に施すと葉が軟弱になり、腐敗病や葉枯病が多発して減収するばかりでなく、球茎や生子の質を低下させることもあるので注意する。
土づくり施肥
  コンニャク土壌は各産地とも長年の連作によってリン酸過剰気味の環境にあり、堆肥施用にあたっては該当ほ場の土壌診断と指標作物(野沢菜・トウモロコシ)により適正施用量を決定し、リン酸については改良資材と化成肥料からの供給を控える。また、緑肥作物輪作によって良質な有機物の補給を図るとともに、フレールモア利用による鋤込み技術を導入すれば、一層良質な有機物を大量に供給することが可能となる。
全量基肥施肥
 球茎や生子の健全な充実をはかるために、1年生や2年生の種いも養成畑で多く実施されている。機械作業が容易にできるので、省力的な施肥法といえる。施肥量が多くなりすぎないように、また後期に肥切れしないように、肥効調節型の肥料を用いるなどの注意が必要である。また、北部地域を中心に、植付け前に全量を施用し、植付け後ただちに培土をする方法(一挙培土)が多く行われているが、この場合も施肥量が多すぎないように注意しなければならない。
基肥追肥施肥
 最も一般的に行われている施肥法で、培土期に全施肥量の70〜80%を畦上に施用し、20〜30%を7〜8月に追肥として施用する。この場合、生育期間の長短や畑の条件などによって、基肥・追肥の配分を決めるようにする。