トマト(家庭菜園サポート)
栽培ポイント
- 育苗時から定植活着期にかけて極端な温度や水分管理を避け、低段果房の形状安定に努めます。
品種・播種
- は種期
3月上旬~4月上旬 - 品種
桃太郎、桃太郎8 - は種
条間6~9cm、種子間隔2cmには種し、覆土は厚さ5mmとし、は種覆土後、新聞紙等をかけ温度と湿度を保って発芽させます。被覆した新聞紙等は発芽が始まる前に取り除きます。
育苗
- は種床の準備
温床線は3.3平方メートル当たり200~250Wを準備します。地温が均一になるよう、中央部を広め、外側を狭めに張ります。 - 床土の種類
スーパー子床または園芸培土 - 発芽後の管理
灌水は、苗の徒長防止と病害予防のため、頭上からは避け、条間に行います。 - 鉢上げの準備
床土を詰めたポットは、鉢上げ4~5日前に灌水し、透明ビニールをかけ地温を高めておきます。 - 鉢上げ
適期 : 本葉2~2.5葉期、は種後15日前後。鉢上げは晴天日の午前中に行い、根を切らないように注意し、速やかに移植します。 - かん水
晴天日の日中に行い、夕方にはポットの土の表面が乾いた状態で夜を迎えられるようにします。頭上かん水は避け、直接鉢土に行いましょう。 - は種から定植までの温度管理
初期の低温管理は第1花房の着生節位が下がり、低夜温(8℃以下)と乾燥管理はチャック果の発生を助長するので、温度管理を徹底します。
ほ場準備
- 土づくり
完熟堆肥、土壌改良資材は、定植1ヶ月前に施用、深耕し土と良く混和します。 - 施肥
基肥の窒素成分は、5~15kg/10aとし、定植15~20日前に全面施用し耕耘します。
定植
- 時期
5月上旬~6月上旬 - 定植苗
第1花房1~2花開花、草丈25~30cm、茎径7~8mm、育苗後半に肥料不足で黄化しないよう、適時追肥を行いましょう。 - 栽植密度
条間115~120cm×株間40~45cmの1条植え - 定植の方法
植え傷みがないよう鉢土を崩さず、株元をやや高く浅植えにします。
定植後の管理
- ホルモン処理(※1)
全段ホルモン処理を行います。1花房3~4花 開花のときに生長点にかからないよう噴霧します。 - えき芽の整理
かき取った芽の傷口が乾くように必ず晴天日の日中に行いましょう。 - 摘果
果実がダイズ大になる頃までに奇形果を摘果します。ただし、1~2段は果形によらず果房当たり3~4果残し、初期生育を安定させます。3段以降は草勢(※2)に応じて4~5果とします。 - 灌水
定植から第3花房開花期までは灌水を控えます。ただし、定植後しおれがある場合はジョウロ等を使用して株元に少量灌水します。
第3花房開花期からは天候、樹勢(※3)に応じて定期的な灌水を行い土壌水分を一定に保ちます。 - 追肥
追肥は心の大きさ、色、先端付近の葉の形、角度等で判断し、適期を逃さないようにしましょう。第1、第3果房の肥大期、第3果房の収穫時を重点的に、1回の追肥量は化成肥料の場合で窒素成分10g/3.3平方メートル、液肥の場合は3~4g/3.3平方メートル程度とします。 - 摘心
晩秋は開花から収穫まで約60日かかるため、8月下旬~9月上旬頃が目安となります。摘心は最終花房の上2葉を残して行います。この2葉の節間から発生するわき芽は放任します。
(※1)生長、開花、着果、果実の発育などに対し、促進したり抑制する目的でホルモン剤を使用することをホルモン処理という。
(※2)茎葉の伸長する勢力。
(※3)樹の勢いのこと。
主な病害虫と防除対策
- 灰色かび病
20℃前後で多湿の時に発生しやすくなります。耐性菌の発生が問題となっており、防除には同一系統の薬剤の連用を避けましょう。 - 葉かび病
20~25℃で多湿条件を好みます。収穫期に入り、肥料切れしたときに発生が多くなります。 - かいよう病
25~28℃で多湿条件を好みます。わき芽かきなどの傷口から感染するので、晴天時の作業とその後の銅剤散布を行いましょう。 - アザミウマ類
6月以降発生が多くなります。成虫は花に集まる性質があるため、開花期に防除しましょう。
生理障害対策
- 尻腐れ果
梅雨明け前に、通路に敷わら等を行い地温の上昇を抑え、乾湿の差を小さくします。また、第3花房開花期から塩化カルシウムを開花花房の上下葉に葉面散布します。少量多回数の灌水を行うと良いでしょう。 - 窓あき果、チャック果
最低夜温を8℃以上に保ち、夜温の急変を避けます。窒素過多に注意し、土壌湿度を適正に保ちましょう。 - 空洞果
養水分の過剰を避け、トマトに光が良く当たるよう栽植密度を粗くします。高温時、高濃度、早期のホルモン処理を避けましょう。 - 裂果
早期のホルモン処理を避けましょう。
急な灌水や雨水の流入、浸透等による土壌水分の急激な変化を避けます。直射日光を避け、果実温の低下をはかり、表皮の硬化を防ぎます。
収穫
収穫時期は品質保持のため、果実の温度が低い時間に行うようにしましょう。