群馬のやまといも

「ぐんまのやまといも」リポート(PDF:4,503KB)
やまといもって どんな野菜?
やまといもは、植物分類上、ヤマノイモ科ヤマノイモ属ナガイモ種に分類されています。
ナガイモ種は、その形態特長等からさらに3つの群に分類されます。

やまといもは、古来から滋養強壮に優れた食材として知られており、見た目の上品さから贈答用にも大変喜ばれる群馬県の特産品です。
とろろに仕立てれば、やまといもならではの粘りとコクが一層引き立ち、素材本来のおいしさが楽しめます。
また、煮物、鍋料理、揚げ物などにも使え、料理の幅が広がります。
生産地と歴史
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太田市・伊勢崎市が主な産地で、特に太田市尾島地区は全国でも知られる名産地です。
尾島地区では、明治時代から米などとともに、やまといもが栽培されていました。
出荷量
やまといもの主な産地は、千葉県、群馬県などです。群馬県産やまといもは、
東京都中央卸売市場を中心に、全国に出荷されています。

図1:農林水産省 作物統計調査 作況調査(野菜)確報 令和5年度産野菜生産出荷統計
「やまのいも」の数値から内数のうち「ながいも」の数値を差し引き、「やまといも」の数値と仮定して算出した出荷量
栽培暦

やまといもは、温暖な気候のもと、日当たりが良く水はけの良い畑でよく育ちます。
風通しの良い環境を整えることで、健やかに成長し、しっかりと根を張ります。
適度な水やりを心がけることで、土壌の湿度が保たれ、やまといもの力強い生育につながります。
収穫されたやまといもは、専用の貯蔵施設で保管され、鮮度を保ちながら少しずつ出荷されることで、一年を通して店頭に並びます。
棒状型と扁平型

やまといもには、棒状型と、いちょうの葉に似た形をした扁平型とがあります。
棒状型は、調理のしやすさから一般の消費に好まれています。
扁平型は、その特徴的な形から、贈答用に向いており、地域によっては「いちょういも」とも呼ばれています。
分析① 粘度
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この分析では、やまといもの粘度がながいもよりも高いことが確認できました。
粘度とは、粘りの度合いを示す指標で、数値が大きいほど粘りが強いことを表します。
やまといもには、複数の粘性糖タンパク質※1が含まれており、粘りの強さにも影響しています。
※1「粘性糖タンパク質」は糖がついたタンパク質で、その糖が水を引きつけてネバネバの性質を作り出し、体の粘膜を保護している物質
図2 群馬県産やまといもと他県産ながいもの粘度比較
分析年度:令和5年度
分析機関:群馬県農業技術センター
分析方法:回転式粘度計を使用し、各検体で10回測定した結果から抜粋。
検体:令和5年産貯蔵やまといもを使用。
群馬県産やまといもは、6検体の平均値。
ながいもは、産地Aと産地B各1検体の平均値。

群馬県産やまといもは、すりおろすと「箸でつまめるほどの粘り」が出るほど粘度が高く、濃厚な風味が特徴です。
分析② 栄養成分の構成比
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この分析では、やまといもは、ながいもに比べて炭水化物やその他成分の割合が高い傾向にあることがわかりました。
図3 群馬県産やまといもと他県産ながいもの栄養素構成比の比較(可食部100gあたり)
分析年度:令和5年度、分析機関:一般財団法人日本食品分析センター、検体:令和5年産貯蔵やまといも及びながいもを使用
群馬県産やまといもは、6検体の平均値。ながいもは、産地Aと産地B各1検体の平均値。
検体は、皮をむいた可食部100gとし、各検体は3本を縮分したもの。
分析③ リン・カリウム・食物繊維
リンは、骨や歯の構成成分やエネルギー生成に重要な役割を果たしています。
カリウムは、塩分の排出を助け、むくみの緩和や、正常な血圧を保つのに役立つ栄養素でもあります。
食物繊維は、消化されにくい成分として食事の満足感に寄与しており、日々の食生活を整えるために、意識して摂取したい成分です。
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図4 群馬県産やまといもと他県産ながいものリン・カリウム・食物繊維含有量の比較
分析年度:令和5年度
分析機関:一般財団法人日本食品分析センター
検体:令和5年産やまといも及びながいもを使用。群馬県産やまといもは6検体の平均値。
ながいもは、産地Aと産地B各1検体の平均値。検体は、皮をむいた可食部100gとし、各検体は3本を縮分したもの
分析④ ディオスコリンA
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やまといもには、ナガイモ種の植物に特有の粘性糖タンパク質「ディオスコリンA」が含まれており、粘りの強さにも影響しています。
「ディオスコリンA」は、特にながいもにおいて研究が進められており、健康維持に寄与する可能性が大学等の研究で示されています。
※本資料は食品としての効能を保証するものではありません。実験室レベルでの実証や地域実証は行われているものの、臨床試験による科学的根拠は十分に確立されていません。また、本資料で紹介している「ディオスコリンA(dioscorin)」は、やまといもに含まれる安全なタンパク質です。野生種に含まれる有害なアルカロイドの「ディオスコリン(dioscorine)」とは異なります。
参考:青森県環境保健センター・弘前大学地域共同研究センター(2018)
「ナガイモ抽出液のインフルエンザウイルス感染抑制作用に関する研究」
農研機構『BRAIN』掲載資料
図5 群馬県産やまといもと他県産ながいもにおけるディオスコリンA含有量の比較
可食部湿重量1gあたりのmg数を算出
分析年度:令和5年度、分析機関:国立大学法人群馬大学、
検体:群馬県産やまといも(貯蔵品:令和4年度収穫)、産地Aのながいも(市販)各検体3本の平均値
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